国師先生と明日翔さん202309 Kokushi & Asuka

9月『おじいちゃん・おばあちゃんにはいつまでも元気でいてほしい!』

こんにちは、明日翔さん。夏休みは短いながらゆっくりできたかな?

こんにちは、国師先生。お盆の間は実家に帰ってゆっくりできました。これまではコロナが心配でオンライン帰省ばかりでしたので、久しぶりに会えて良かったです。

おばあさま、おじいさまは孫と一緒に過ごすことができて嬉しかったと思うよ。

普段会う機会がないこともあって、未だにかわいがってもらえます(笑)。体調とか飲んでいる薬とかの話をしていると授業や実習で聞いたことのある内容も出てきましたね。

どうしても人間は加齢によって生理機能が衰えるから、高齢者の方々は複数の薬を継続的に飲む場合が多いね。

実習でも高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症などの薬を使っている方が多かったように思います。あとはおじいちゃんが前立腺肥大症の薬を、おばあちゃんが骨粗しょう症の薬を使っているようなイメージです。

もちろん男性にしか前立腺は存在しないし、女性は閉経後エストロゲンの分泌量が低下する結果、骨吸収(破骨細胞により骨が壊されること)が抑制されにくくなるからね。

骨粗しょう症では服用方法が特殊なビスホスホネート製剤が有名ですよね。

ビスホスホネート製剤は破骨細胞の機能を抑制する、破骨細胞自身のアポトーシスを誘導するといった効果で骨粗しょう症を抑えているけど、他の骨粗しょう症の薬がどのように作用するかは知っているかな?

エストロゲンが足りなくなると骨がもろくなるなら、エストロゲンを補充する薬があるでしょうか?

その通りだよ。エストロゲンは骨吸収を抑制する作用があって、エストロン、エストリオール、エストラジオールの3種類のホルモンからなるけど、そのうちエストリオール錠、エストラジオール錠・貼付剤が婦人系の疾患以外にも閉経後骨粗しょう症に使われている。あとはエストロゲン様作用を示す選択的エストロゲン受容体モジュレーター(Selective Estrogen Receptor Modulator : SERM)と呼ばれる薬[ラロキシフェン、バセドキシフェン]があるね。エストロゲン受容体に作用する薬は血栓形成を促進するから、肺塞栓症や深部静脈血栓症などの患者や既往歴のある患者には使ってはいけないことになっているよ。

そうなのですね。他にも骨吸収を抑制する薬は使われていますか?

エストロゲン受容体に作用するもの以外だと、血液中のカルシウムを骨に移動させることで血中のカルシウム濃度を下げる作用のあるカルシトニンを製剤化した薬[エルカトニン、サケカルシトニン]、破骨細胞の活性化に関与すると考えられているNF-κB活性化受容体リガンド(Receptor Activator for Nuclear factor-κB Ligand : RANKL)に結合するヒト型モノクローナル抗体製剤[デノスマブ]が骨吸収を抑制する薬だね。

一口に骨吸収を抑制する薬と言っても色々あるんですね。骨形成(骨芽細胞により骨が新しく作られること)を促進する薬はありますか?

骨形成を促進する薬としては、①カルシウムの腸管での吸収・尿細管での再吸収を促進する活性型ビタミンD3製剤[アルファカルシドール、エルデカルシトール、カルシトリオール]、②骨芽細胞の働きを助けるビタミンK2製剤[メナテトレノン]、③2年の投与制限のある副甲状腺ホルモン製剤[テリパラチド]が主に使われているね。副甲状腺ホルモンは骨吸収を促進して血中のカルシウム濃度を上げる作用があるから骨粗しょう症の治療薬としては一見矛盾しているように思えるけど、週に1回(商品名:テリボン)、または1日1回(商品名:フォルテオ)の投与なら骨芽細胞の機能を大きく活性化させて骨形成が骨吸収上回ることで骨粗しょう症に効果があると言われている。

なるほど。骨吸収に関わる破骨細胞の働きを抑えるか、骨形成に関わる骨芽細胞を活性化するかで選択する薬が変わってくるのですね。

骨粗しょう症は国試でもよく出題される疾患だから、しっかり覚えておこう。ちなみに第108回にも関連する問題がいくつか出題されているね。

今日勉強したことを使えば答えが出せますね。私の学力も勉強や去年の病院・薬局実習を思い出しつつ、少しずつでも骨太にしていきたいです!

国試まであと半年を切ったからね。するべきことを一つずつ確実にしていこう。

また来月もよろしくお願いします!




第108回-問250-251

60歳女性。市町村が実施する検診で骨密度の低下が指摘され、近隣の整形外科を受診した。脆弱性骨折は見られなかったが、骨密度低下(腰椎骨密度測定値:若年成人平均値(YAM)の65%)のため骨粗しょう症と診断された。本日、以下の処方箋を持って初めて薬局を訪れた。

(処方)

バゼドキシフェン錠20mg        1回1錠(1日1錠)

エルデカルシトールカプセル0.75μg     1回1カプセル(1日1カプセル)

                     1日1回 朝食後 14日分

問250. 処方されたいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 2. 3. 4. 5.
カルシトニン受容体を遮断することで、骨形成を促進する。RANKL(NF-κB活性化受容体リガンド)に結合することで、骨形成を促進する。ビタミンD受容体を刺激することで、腸管からのカルシウム吸収を促進する。ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、骨吸収を抑制する。エストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示すことで、骨吸収を抑制する。


問251.薬剤師が他の医療機関の受診の有無を確認したところ、今回の整形外科以外に内科に通院していることがわかった。お薬手帳を確認したところ、以下の薬剤が処方されていることが確認できた。なお、整形外科ではお薬手帳を提示していなかった。

(お薬手帳の内容)

ニフェジピン徐放錠40mg         1回1錠(1日1錠)

リバーロキサバン錠15mg         1回1錠(1日1錠)

セルトラリン錠100mg           1回1錠(1日1錠)

ボノプラザンフマル酸塩錠20mg      1回1錠(1日1錠)

                      1日1回 朝食後 14日分

ブロチゾラム口腔内崩壊錠0.25mg         1回1錠(1日1錠)

                     1日1回 就寝前 14日分

この患者のお薬手帳の内容から、今回整形外科で処方された薬剤が禁忌となる疾患を内科で治療中である可能性が考えられた。その疾患はどれか。1つ選べ。

1. 2. 3. 4. 5.
高カルシウム血症深部静脈血栓症パニック障害胃食道逆流症ナルコレプシー





解答:

問250:3、5

問251:2

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